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一回全部消えちゃったぜひゃっほーい!(やけっぱち)
書きながらうっかりまたうとうとしてて、ハッと気付くと窓ひとつ無いデスクトップでした…
あまりに何も無かったので、書いてたの自体が夢の中の出来事だったかも知れないと思ったんですが、
再び書き始めてみたらPCの予測変換が言葉の並びをいくつか覚えてくれてて、現実だったのだと教えてくれました。
自動更新か何かにやられたのかな…。
っていってもそんなに書けてなかったので、そんなには影響してませんすみません。
書きたいシーンまでたどり着けなかったけど、
時間切れてしまったので区切りますすみません。
こんな感じで暫くプロローグな気がしますすみません。
[しずまる]
何時も通り、の範囲の内で、何時も通りではない帰り道。
光の群れを離れてより灯かりの少ない方へとハンドルを切る腕は、勝手にそう動いているようなもので、マルコの頭の中はいま、今夜食べ損なった行き付けのバーの料理に大きく占められている。
その店の前まで行ってみて、扉に掛かった『Close』の文字に落胆してから、20分ほどは経ったろうか。
可能性は承知であったし、何せ週の半分以上はありつけているのだから、そんなに口惜しかった訳ではない。けれど、通い慣れた道を走るのに必要なのは最低限の意識のみなのだ。取り留めもなく巡る思考の合間、助手席でがさりと、代わりと呼ぶには侘びしい弁当の入ったコンビニの袋が鳴ったので、やはり少し残念だと、そう思ってしまった。
唯でさえ近くはない仕事場からその店を経由して自宅へ向かうルートは、出勤時と比べてなかなかの遠回りだが、それでも帰りはいつもそれを通る。
酒は勿論、バーでありながら料理も絶品で、車で訪れて飯だけで腹を満たして帰って行く、つまりマルコのような客も特に珍しくは無いらしい。そんな連中にも居やすい雰囲気を作っている店主は、艶やかな容姿に反しながら相応しくもある内面が知るほどに興味深い人物だ。
驚く程よく気が利いて、しかし構われ過ぎない絶妙な具合の無関心さが心地良い。
不定休で、行ってみなければやっているかどうか分からない、というのも彼の店らしく、今日のような日がたまにあるがそれもまた面白い。
唯一悔やまれるのは、あの店を自分で知れなかった事のみ。
何時だったか仕事終わりに腐れ縁の同僚に捕まって、連れて行かされたのが初めてだった。
良い店を教えてくれたと感謝する思いは、運転の為に素面でいる自分を置き去りに一人で酒を浴び出来上がっていった迷惑さで薄れて、その後も事ある毎に自分が教えたのだと恩着せがましい言動ですっかり消え失せた。
(いらねェ事まで思い出しちまった)
その時ちょうど、車は一切の無駄なく吸い込まれるようにガレージへと滑り込んだ。
キーを回して音を無くした暗がりの中に、髪型に傷跡に髭と特徴過多な男の顔が飛び切り鬱陶しく思い浮かんだので、鞄と夕飯を拾い、舌打ちと溜息とを残して、堪らなく苦々しい気持ちで車を降りる。
ふと、マンションの正面へと回る道が、普段よりいくらか明るい気がして顔を上げたが、今夜は月も無い。しかし何時もより帰りが早いからだろうか、殆どの窓から光が漏れていて、この所為かと腑に落ちた。
街灯だけではない明るさの元、しかし外に人気はなく、革靴の底がアスファルトを蹴る音が響いて聴こえる静かな夜。
(悪くはないか)
ほんの数十メートルの距離の内に、何となく気分は持ち直り、その単純さを自嘲する思いもまた、僅かに気分を持ち上げた。