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嫉妬2


前回のあらすじ。

マルコと、イゾウ(に決めました←)の様子を見る内に、
エースの中に芽生え、瞬く間に膨らみ渦巻き始めた嫉妬。
飼い慣らせず、否、それ以前に受け入れることも適わず、拒絶を選んでしまう。

「あんたと居たくねェんだよ!」

丁寧でない言葉をぶつけること自体は珍しくもないけれど、
こんなに醜い気持ちで吐き出した事は初めてで、
堪らなくなってエースは走り去ってしまいました。


ここからは昨日から今日の間に出来た設定ですが(笑)
3人がいた場所はイゾウの店で、
そもそもイゾウと付き合いのあったマルコが、仕事の大事な接待の時とかに使ってたりしたらどうでしょうね。
お座敷のイゾウ女将…いいかもしれない。
この場合のエースは、新入の部下だったりしてもいいし、仕事的には無関係でもどちらでもいい。
なんせマルコさんは、美味い飯にはエースが喜ぶだろうし、友人には恋人紹介出来るしと思った感じでね。
てなもんで、GOッ



飛び出してから、どう走ったかよく覚えてないけれど、たどり着いた公園で足を止めた。
どうせ今の何倍走ったって、振り払えはしないんだ。
なんで、なんだってあんな事口走っちまったんだろう。
嫉妬に後悔に自責、らしくないものばかりが纏わりついて潰されそうな頭の中を、体現するようにしゃがみ込む。


紹介された、イゾウって奴。
マルコからその名前を聞いた事が何度かあって、その度感じてたのは、マルコのその人への信頼。
頭がキレて、仕事はデキて、ついでに腕っ節も強そうで、勝手に思い浮かべてたのは、それなりのガタイにピシッとした服を纏ったシルエット。
会ってみたいと思ってたから、マルコと二人で通された何だか少し背中を丸めていたくなる和室の中、それでもおれはわくわくしていて、す…と開いた襖の方に向けた顔は結構な阿呆面だったと思う。
出てきたのは想像と全然違う…つか、想像のしようがない姿だった。
真っ白な肌に、テレビでしか見たことない重そうな頭、
綺麗な着物が包むのは、細い顎から足の先まで、大きな筆で墨を一筋、するりと流したみたいな身体の線。
本当にこの人なんだろうか、っていうかこの人本当に男なんだろうか、一層ひどい阿呆面で見つめてたら、
マルコは普通みたいに微笑んでその人を迎えて、その人がマルコ、と返した声は間違いなく男のものだった。

多少裏返ってしまったかもしれない、情けない声でおれは名乗って、
「へぇ」
とだけ返した彼の、短く引かれた真っ赤な口紅が、二ィ、と口の端が持ち上がっても動かなくて、
切れ長の瞳は見透かすみたいにおれをなぞった。

同じ男のものと思えない、白い手がマルコの肩に置かれて、
彼の目はおれを捉えたまんまで、唇がマルコの耳の傍に寄せられた。
何かを、囁いただけだと思う。
でも、おれはなんでか目を背けてしまって、
それから、それから。その後マルコの耳元に、あの紅色が無いか探したんだ。

その先は、彼にもマルコにも、なんか話しかけられたけどいまいち覚えていない。



「あー…もー!!」

がしがしと抱えた頭を掻いてみたって、
このぐちゃぐちゃは吹き飛ばないし、出てしまった言葉も取ってしまった行動も引っ込まない。
それどころか

「つーか追っ掛けて来いよ馬鹿マルコーー!!」
「来てやってるよい、馬鹿エース。」

…後悔は、増すばかりである。

「………何も聞いてないって言ってくれ…」
「そいつは出来ねェ相談だよい。おれを馬鹿呼ばわりしやがったもんなァ」
「や…じゃァそこはもう諦めますんで」
「追って来いよ、か?」
「ああああ」

崩れ落ちるしかない。

「エース」
「も…忘れてくれ」
おれの事は。
もしくは埋めてくれ。
いや、埋まらせてくれ。
今から埋まっていくから、邪魔しないで、そして掘り起こさないでくれ。
見つめる先の地面に、気持ちだけでめり込んで行けそうな気がしたその時。
頭に感じた重さを後押しかと思ったけど、それにしては随分優しかった。

「悪かったよい」
「…え」
「お前は、そういうモンとは無縁かと」

そういうもん、っていうのはつまり、おれを襲った例のドロドロのことだろうか。

「…がっかりした?」
「何を」
「おれだって、無縁だと思ってたよ。こんな…気持ち悪ィ」
「お前な」
「嫌んなったろ」
「この馬鹿」
「なんだよ!」
「おれは喜んでんだ、邪魔すんなよい」
「は…?」
「惚れた奴に妬かれて、嫌な訳ねェだろう」

まだ、受け入れきることも出来ずにいるけれど、
くしゃくしゃと撫でつける手が、本当だと教えてくれているのが分かる。

「じゃなけりゃ困る」
「…うん?」
「ほら、行くぞ」

まだ、色々ぐちゃぐちゃなままだけど、
ふ、と物理的には頭が軽くなって、
目の前に、知った掌がにゅっと現れた。


という感じで。(SSモードパワー切れですすみません…)

おれはお前より嫉妬深いからな、
っていうのは、
のちのちゆっくり教えてあげるのです。態度で。
ちょっとずつ、そんなに醜いばかりのものでもないんだって教えられて、
うまく付き合えるようになっていけばいいね!!

そんでイゾウさんとも仲良しになれたらいいね!
しばらくは遊ばれそうですが。

と…いう訳で、案外引っ張り続けてしまった嫉妬編(?)、一旦私は落ち着きましたっ。
お付き合いありがとうございましたー


[しずまる]

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プロフィール
HN:
とど”まるこ”とをしらない人達
年齢:
13
HP:
性別:
女性
誕生日:
2010/11/22
職業:
モビーディック観察
趣味:
妄想
自己紹介:
マルコがエロ過ぎて心がやす”まるこ”とがない やすまると
マルコが男前過ぎて萌がしず”まるこ”とがない しずまるです。
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