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マルエーに漫才をさせてみようの巻(え)
―表のみが飾られた板の裏側、唯一立派な扉の前に立つ。
着慣れないスーツのちょっとした窮屈さが、今は心地良く気を引き締めてくれる。
隣に立つ姿が、揃いのデザインの筈なのにずっとスマートに見えるのが少しばかり癪で、そして誇らしい。
扉が開き、けたたましいほどの出囃子。
スポットライトの中に立つセンターマイク。
それ以外に何もないみたいな、それを目指して小走りに進む。
出囃子や止んで照明が切り替わる、と、存外大勢に囲まれてるんだと分かる。
見てな、今から4分、おれ達の時間だ―
2「どーもー」
M「バナナでーす」
A「メラニンでーす」
M「2人合わせてー」
2「シュガースポットでーす」
2「……」
M「…おまえだろい」
A「あれ?そっかえーとォ」
T「だァーもー、いっぺんヤメ!」
A「サッチー」
T「エース、お前何回忘れんの」
A「だって最初のアレ聞いてる内に忘れちまうんだって。アレ何?」
T「雰囲気作ってあげてんでしょーが!つーかマルコよォ、お前もフォローとかさァ。ったく、お前らやる気あんのかよ」
2「……」
T「ねェのかよ!」
A「なァ、これ面白いのか?」
T「面白ェに決まってんだろ失礼な!」
A「よくわかんねェ下ネタばっかだし…」
T「このお子ちゃまめ…」
A「大体、なんでマルコがバナナなんだよ、パイナップルだろ!」
M「おい」
T「仕方ねェだろ、シュガースポットでバチッと来ちまったんだから」
A「はァ?」
T「いいからもう一回」
M「…エース、お前のメラニンってのも、意味分かってんのかよい」
T「あー、わー!!」
A「メラメラな人間だろ?おれじゃん!」
M「…サッチ」
T「……ハイ」
オヤジが見たがってるとか言われて結成したシュガースポットは、
稽古段階で解散、日の目を見ることはありませんでした。
シュガースポットが踏むはずだった舞台(宴の余興)には、
目元に傷があって髭が特徴的な、なんか知ってる気がする男が出てきてスベリ倒したようですが、
元シュガースポットの2人は、その頃部屋に籠っていたので、それを見ることはありませんでした。
「はっ、なァ…シュガースポットって、なに」
「ん?…こういうのだ」
「ひゃ、っはは、顔擽ってェ」
「熟れ具合のバロメータなんだと」
「ぁ…う」
「存外、間違いでもねェかもなァ?」
※シュガースポット=バナナの表面に現れる、黒い斑点です。熟成のバロメーターで、これが現れてるバナナは甘いのだそう。
漫才ネタとか書ける才能があればいいのにー。
芸人さんて凄いなぁ。
名乗りの部分は私が考えたのではなく、友人達の掛け合いほぼそのままです。
あまりに秀逸だったので、許可を得てネタに使用させてもらいました。
もう、あの子達大好きだ!
[しずまる]