更新停止しました。
ありがとうございました!
[PR]
2024.11.20 Wednesday
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
マルコの…誕生日…の…④
2011.10.14 Friday
そしてまだ終わりません…
書き上がって上げよう、とか思ったら本当にいつか分からないので…ちょびちょびと…
本当にごめんなさいぃぃぃ…
どういう訳でしょうか…
愛してるのに…っ
[しずまる]
書き上がって上げよう、とか思ったら本当にいつか分からないので…ちょびちょびと…
本当にごめんなさいぃぃぃ…
どういう訳でしょうか…
愛してるのに…っ
[しずまる]
誰も予想だにしなかった、2番隊隊長の衝撃的な造反。
そのシーンを目の当たりにした面々が正気を取り戻したのは、沈む二人を見限った空気がぶくぶくと水面を弾けた、後だった。
船縁に近い者が慌てて覗き込んだ時には、既に彼らの場所を示す物は見当たらず甲板に新たな動揺が走り、
あの馬鹿、そう残してまず飛び込んだのは、サッチだった。
能力者は、海に抗えない。
ろくに藻掻くことも出来ないのだろう、泳げない者の事を金槌とはよく言ったものだと、感心すらしてしまう程、彼等は成すすべなく緩やかに海底を目指す。
二人の姿を捉えようと目を凝らしながら潜っていくサッチの耳元に、助けてくれよな、とエースの言葉が蘇り、ああこの事だったのかとあの時に感じた違和感について腑に落ちて、けれど行動の意図はさっぱり分からん!と、思わず荒くしてしまった鼻息に、大切な空気を費やした。
全くもって意味が分からないし、そろそろ水圧で耳や鼻が痛みを訴え始めた。
その上に、さらりと長い飴色の髪が視界を漂って、不機嫌は増すばかりだ。
なんとしても引っ張り上げて、問いたださなくては。
丁度そう思った時、新たに上を目指す空気が見えた。
ずぶ濡れの能力者が二人、甲板に転がっている。
頭上に、すっかり解けきった髪をオールバックに後ろに流したサッチがしゃがみ込み、更に周りを、海水だったり汗だったりでびしょびしょの兄弟達が囲んでいた。
「おら。しっかりしろ、この馬鹿野郎」
「…馬鹿は…そっちだけだ」
「元気そーで何より」
マルコだけは先に目を覚まして、けれどまだ気だるげに床に横たわっていて、そんなマルコが珍しいと面白がり、サッチはぺちぺちと彼の頬を叩いた。
そういった行動でよくサッチは遠巻きに危機管理能力を問われているが、煩わしそうな顔を見せたマルコは直ぐに興味を無くしたように視線を逸らしたので、今日サッチがこれ以上の災難に見舞われる事は無さそうだ。
流れた視線の先には、無防備な寝顔。
何を考えているんだ、と、もっともな追究は8割方が罵声で、更に多少の手足も伴って浴びせられたのだが、エースはそのすべてをこの寝顔でもってやり過ごした。
飲み込んでしまった水は先ほどテッポウウオよろしく吐き出させたし、規則正しい寝息も穏やかで、マルコはつい呆れたように笑みを洩らす。
「なァに笑ってんだ」
「…別に」
「お前さ。…コレの考え分かるか」
「…いや…どうだろうな」
「全くよ…、危うく心中だったんだぜ?」
「そりゃあ…熱烈だなァ」
漸く、面倒臭そうに起き上がったマルコの台詞が、まるで自分のようだとサッチは目を丸くする。
それからマルコは、何事もなかったように立ち上がり、隣に横たわるエースを肩に担ぎ、船室へと歩き出した。
取り巻いていた兄弟たちは、くったりと脱力した人間一人を事も無げに拾い上げた仕草としっかりとした足取りに一先ず安心をして、ただそれを見守ってしまったが、少し遅れて慌ててその背を呼びとめる。
マルコ、マルコ隊長、といくつもの声にマルコは僅かに立ち止り、けれどそれだけで、また歩き始める。
「おい、マルコ」
「…騒がせて悪かった。お前らは、宴に戻れよい」
さっきの出来事が何だったのかは誰も分からないが、
少なくともマルコは被害者であると、その場の全員が知っている。
そのマルコに謝られてしまってはもう何も言えずに、
間もなくバタンと、甲板と船室を繋ぐ扉の閉まる音が響く。
解明を逃れた謎は間もなく肴になり、
残された不完全燃焼な思いは、やがて酒に掬われるだろうが、
サッチは肩を竦める。
「結局、人払いもさせるワケだ」
そのシーンを目の当たりにした面々が正気を取り戻したのは、沈む二人を見限った空気がぶくぶくと水面を弾けた、後だった。
船縁に近い者が慌てて覗き込んだ時には、既に彼らの場所を示す物は見当たらず甲板に新たな動揺が走り、
あの馬鹿、そう残してまず飛び込んだのは、サッチだった。
能力者は、海に抗えない。
ろくに藻掻くことも出来ないのだろう、泳げない者の事を金槌とはよく言ったものだと、感心すらしてしまう程、彼等は成すすべなく緩やかに海底を目指す。
二人の姿を捉えようと目を凝らしながら潜っていくサッチの耳元に、助けてくれよな、とエースの言葉が蘇り、ああこの事だったのかとあの時に感じた違和感について腑に落ちて、けれど行動の意図はさっぱり分からん!と、思わず荒くしてしまった鼻息に、大切な空気を費やした。
全くもって意味が分からないし、そろそろ水圧で耳や鼻が痛みを訴え始めた。
その上に、さらりと長い飴色の髪が視界を漂って、不機嫌は増すばかりだ。
なんとしても引っ張り上げて、問いたださなくては。
丁度そう思った時、新たに上を目指す空気が見えた。
ずぶ濡れの能力者が二人、甲板に転がっている。
頭上に、すっかり解けきった髪をオールバックに後ろに流したサッチがしゃがみ込み、更に周りを、海水だったり汗だったりでびしょびしょの兄弟達が囲んでいた。
「おら。しっかりしろ、この馬鹿野郎」
「…馬鹿は…そっちだけだ」
「元気そーで何より」
マルコだけは先に目を覚まして、けれどまだ気だるげに床に横たわっていて、そんなマルコが珍しいと面白がり、サッチはぺちぺちと彼の頬を叩いた。
そういった行動でよくサッチは遠巻きに危機管理能力を問われているが、煩わしそうな顔を見せたマルコは直ぐに興味を無くしたように視線を逸らしたので、今日サッチがこれ以上の災難に見舞われる事は無さそうだ。
流れた視線の先には、無防備な寝顔。
何を考えているんだ、と、もっともな追究は8割方が罵声で、更に多少の手足も伴って浴びせられたのだが、エースはそのすべてをこの寝顔でもってやり過ごした。
飲み込んでしまった水は先ほどテッポウウオよろしく吐き出させたし、規則正しい寝息も穏やかで、マルコはつい呆れたように笑みを洩らす。
「なァに笑ってんだ」
「…別に」
「お前さ。…コレの考え分かるか」
「…いや…どうだろうな」
「全くよ…、危うく心中だったんだぜ?」
「そりゃあ…熱烈だなァ」
漸く、面倒臭そうに起き上がったマルコの台詞が、まるで自分のようだとサッチは目を丸くする。
それからマルコは、何事もなかったように立ち上がり、隣に横たわるエースを肩に担ぎ、船室へと歩き出した。
取り巻いていた兄弟たちは、くったりと脱力した人間一人を事も無げに拾い上げた仕草としっかりとした足取りに一先ず安心をして、ただそれを見守ってしまったが、少し遅れて慌ててその背を呼びとめる。
マルコ、マルコ隊長、といくつもの声にマルコは僅かに立ち止り、けれどそれだけで、また歩き始める。
「おい、マルコ」
「…騒がせて悪かった。お前らは、宴に戻れよい」
さっきの出来事が何だったのかは誰も分からないが、
少なくともマルコは被害者であると、その場の全員が知っている。
そのマルコに謝られてしまってはもう何も言えずに、
間もなくバタンと、甲板と船室を繋ぐ扉の閉まる音が響く。
解明を逃れた謎は間もなく肴になり、
残された不完全燃焼な思いは、やがて酒に掬われるだろうが、
サッチは肩を竦める。
「結局、人払いもさせるワケだ」
PR