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2024.11.20 Wednesday
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飛行機
2011.11.30 Wednesday
取材旅行なう、で御座います。…一応事情と目的あっての遠征なのですがね、気分はもう、完璧にそれです。
留学だったり、所謂自分探しや、夢に飛び込む感じで海外に飛んだエースが、旅程で出逢うマルコ、とか。
そんな二人がそこら中に見えてしまって、いつもに増して幸せです。
ああでもその前に、行きの飛行機の中の話。
出発の数日前、神社に行く機会があっておみくじを引いたら見事に凶で、旅や出逢いについてことごとくズッパシ『わろし』と書かれていた事を思い出す滑り出しでした。
しかし!
マルエー変換という魔法によりこれもまた、素敵な材料に!
ふはは、不運恐るるに足りず!!
座ってみるまで、周りがどんな人かとか分からない機内。
機体の一番後ろ、窓から二つ目の席に座ったマルコ。
彼の場合ファーストクラス、せめてビジネスに乗って欲しいところですが…なんかそこから受難スタートしてたらいいですよね。
航空会社の手違いで便を間違われてたりして、その便では仕事に間に合わず、予約した筈だった便は既に満席。
エコノミーでなんとか手配できた席で妥協して乗ってみると…
彼の席を除いて後方5列ほどが全部、一つの団体の座席です。
しかも、半分ほどの年齢の、海外どころか飛行機自体にも慣れていない、修学旅行感満載の、学生4、50人。
おまけにマルコは通路側ですが、隣の窓側に座った男の子もその集団の一員で…。
マルコは修学旅行生に取り囲まれて居心地が悪く、
窓側の彼もまた、マルコがいる事によってわいわい写真とったり騒いでる仲間達と隔離されるという、誰も得しない状況。
その上、周りの奴らが
『みろよ、あいつ閉じ込められてやんの』ってクスクスしてたり、
「お前、イイ席だな」
「うるせェ!」
ってなやりとりがマルコ越しに飛び交ったり。
一部の女子がチラチラと向けてくる視線もまた煩わしく、
最後列で壁にぶち当たるおかげでまともにリクライニングもしないし、なのに前の席の学生は無遠慮にシート倒してくるし、
このまま12時間なんて悪夢だ。と、眩暈を抑えて深々と溜息を漏らしたとき。
「お前、迷惑!」
ってマルコの前の席の学生の頭をビシッてやる隣の学生。
彼が乗り出して振り下ろした腕はマルコにもとても近かったので、それ自体が迷惑と言えなくもなかったりします。
けど、一応自分のことを気にかけたらしいことは伝わり、他の状況が最悪過ぎたおかげで相対的にその子が良い子に見えるマルコ(笑)
なんだよ、うるさいなっていいながらも前の席のシートが上がるのを確かめると、隣の彼は頬杖をついて、周りの騒ぎから目を伏せるみたいに窓の外を眺めます。
でも、心なしか脚と指先がそわそわしてて、本当は混ざりたいんだろうなって思わせる感じで。
「学生か」
「え…ハイ」
「どっからが仲間だい?」
「…5列前くらいから」
「…運が無ェな」
「はは、そっちも」
懐っこく話し易い感じで返してくる青年に、少し和んで。
「席、代わるか」
「や、いい、いいです」
遠慮した風な返しに、どちらかと言えば変わってくれた方が嬉しいんだが、と思いつつも食い下がるのもな…と諦めるマルコ。
それから暫く、ぽつぽつと言葉を交わし、
海外のレストランに研修に行く調理の専門学生の集団なんだと判明したり、離陸にはしゃぐ様子を眺めたり、ヘッドホンや機内設備の使用方法に戸惑ってるのを笑ったり。
それから、彼がトイレに立とうとしたので、それをキッカケにもう一度席の交換を持ち掛けるマルコ。
彼はもう一度断ろうとするんだけど、一回目はただの遠慮だったのが、次は渋るような、惜しむような感じで。
このままでいたいと強請られているようで気分が良くなって、
「隣なのは変わらないだろい、エース」
って笑います。
名前は、彼の周りに飛び交う仲間たちの声から聞き取っていました。
目を丸くして、俄かに動揺して、でもすぐに嬉しそうに笑って、席を立つエースを見送って。
窓側の席に詰めたマルコは無意識に時計に目をやって、残された10時間という時間を、もう長いとは思わないのでした。
ふあああ。
マルエーならなんて素晴らしいシチュエーションなのでしょう。
マルエーなら!!!
[しずまる]
留学だったり、所謂自分探しや、夢に飛び込む感じで海外に飛んだエースが、旅程で出逢うマルコ、とか。
そんな二人がそこら中に見えてしまって、いつもに増して幸せです。
ああでもその前に、行きの飛行機の中の話。
出発の数日前、神社に行く機会があっておみくじを引いたら見事に凶で、旅や出逢いについてことごとくズッパシ『わろし』と書かれていた事を思い出す滑り出しでした。
しかし!
マルエー変換という魔法によりこれもまた、素敵な材料に!
ふはは、不運恐るるに足りず!!
座ってみるまで、周りがどんな人かとか分からない機内。
機体の一番後ろ、窓から二つ目の席に座ったマルコ。
彼の場合ファーストクラス、せめてビジネスに乗って欲しいところですが…なんかそこから受難スタートしてたらいいですよね。
航空会社の手違いで便を間違われてたりして、その便では仕事に間に合わず、予約した筈だった便は既に満席。
エコノミーでなんとか手配できた席で妥協して乗ってみると…
彼の席を除いて後方5列ほどが全部、一つの団体の座席です。
しかも、半分ほどの年齢の、海外どころか飛行機自体にも慣れていない、修学旅行感満載の、学生4、50人。
おまけにマルコは通路側ですが、隣の窓側に座った男の子もその集団の一員で…。
マルコは修学旅行生に取り囲まれて居心地が悪く、
窓側の彼もまた、マルコがいる事によってわいわい写真とったり騒いでる仲間達と隔離されるという、誰も得しない状況。
その上、周りの奴らが
『みろよ、あいつ閉じ込められてやんの』ってクスクスしてたり、
「お前、イイ席だな」
「うるせェ!」
ってなやりとりがマルコ越しに飛び交ったり。
一部の女子がチラチラと向けてくる視線もまた煩わしく、
最後列で壁にぶち当たるおかげでまともにリクライニングもしないし、なのに前の席の学生は無遠慮にシート倒してくるし、
このまま12時間なんて悪夢だ。と、眩暈を抑えて深々と溜息を漏らしたとき。
「お前、迷惑!」
ってマルコの前の席の学生の頭をビシッてやる隣の学生。
彼が乗り出して振り下ろした腕はマルコにもとても近かったので、それ自体が迷惑と言えなくもなかったりします。
けど、一応自分のことを気にかけたらしいことは伝わり、他の状況が最悪過ぎたおかげで相対的にその子が良い子に見えるマルコ(笑)
なんだよ、うるさいなっていいながらも前の席のシートが上がるのを確かめると、隣の彼は頬杖をついて、周りの騒ぎから目を伏せるみたいに窓の外を眺めます。
でも、心なしか脚と指先がそわそわしてて、本当は混ざりたいんだろうなって思わせる感じで。
「学生か」
「え…ハイ」
「どっからが仲間だい?」
「…5列前くらいから」
「…運が無ェな」
「はは、そっちも」
懐っこく話し易い感じで返してくる青年に、少し和んで。
「席、代わるか」
「や、いい、いいです」
遠慮した風な返しに、どちらかと言えば変わってくれた方が嬉しいんだが、と思いつつも食い下がるのもな…と諦めるマルコ。
それから暫く、ぽつぽつと言葉を交わし、
海外のレストランに研修に行く調理の専門学生の集団なんだと判明したり、離陸にはしゃぐ様子を眺めたり、ヘッドホンや機内設備の使用方法に戸惑ってるのを笑ったり。
それから、彼がトイレに立とうとしたので、それをキッカケにもう一度席の交換を持ち掛けるマルコ。
彼はもう一度断ろうとするんだけど、一回目はただの遠慮だったのが、次は渋るような、惜しむような感じで。
このままでいたいと強請られているようで気分が良くなって、
「隣なのは変わらないだろい、エース」
って笑います。
名前は、彼の周りに飛び交う仲間たちの声から聞き取っていました。
目を丸くして、俄かに動揺して、でもすぐに嬉しそうに笑って、席を立つエースを見送って。
窓側の席に詰めたマルコは無意識に時計に目をやって、残された10時間という時間を、もう長いとは思わないのでした。
ふあああ。
マルエーならなんて素晴らしいシチュエーションなのでしょう。
マルエーなら!!!
[しずまる]
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