更新停止しました。
ありがとうございました!
[PR]
2024.11.19 Tuesday
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
パン屋
2012.02.22 Wednesday
街にやすまると2人でいて、
空腹の私がパン屋を発見。
「お、ちょっと食糧買ってくる!」
「いってらー」
私一人で離脱し
パン屋の自動ドアをくぐり
そして、1歩目でUターン。
「やすまる!」
「早ッ!」
「ちゃうねん!ぱ、パン屋ってよくない…?」
「よし私も行く」
そんな事が今月はじめにあったのに忘れてた…
マルコの家の近くに新しく出来たパン屋さん。
近所の煙草屋に行く時に通る道すがらにあったりとかで、なんとなく開店する前から存在は知ってて。
ああ、もう開いてるのか、思いながら前を通り過ぎようとして、
今何が焼きたてだとかいう看板出したりとか何かで、店の外に出てきたパン屋エースとすれ違います。
その瞬間ふわっと、バターと、焼き立てのパンの匂いがして。
それはエースが出た時に一度開いたドアから漂ったんだろうと思いながらも、エースから香ったように感じるマルコ。
思わず立ち止まった背中に、
「あ、よかったら寄って下さい、焼きたてです」
振り返ると、かけようとしてたボードをマルコの方に向けて笑ってて、
なぜか、さっきの匂いはやっぱりこの青年からだ、と確信して、それをもう一度確かめたいって気持ちに駆られます。
その事に自分で少し戸惑いながら、ああ、って応えて1歩引き返し、店の中に足を向けると、
「ありがとう」ってとても嬉しそうな声で言うエース。
入ってしまったものの、今腹が減っている訳でもないマルコ。
どうしたもんかと店内をただ見回していると、エースが中に戻ってきて、手ぶらのマルコに、どうぞってトングとトレーを渡そうとします。
それまで受け取ったらどうしようもなく間抜けな気がして、いい、と掌で示して。
それから咄嗟に、袋に詰められた食パンの塊を指すと、
ほんの少し首を傾げてたエースが、ああ、と漏らしながらにこりとします。
「朝食用ですか、何枚にします?」
何を聞かれているかは分かるものの、パン屋でパンなんて買わないから、そうかそんなやりとりが必要なのかとか、何枚というのが普通なのかとかが頭を巡って。
少し黙っていると、
「5枚とか6枚が多いですよ。でもうちのパンふわっふわなんで厚めでも美味しいと思います。おれは4枚が好きです」
とかへらっと笑って言われて
「…そうかい、なら4枚にしてくれよい」
って答えたらまた嬉しそうにするエース。
パンを切りにエースが裏に行った間マルコは、こんなにパンの匂いに包まれた店内じゃ、あいつの匂いが分からねェ、なんて心の中で舌打ち。
戻って来て、会計を終えてマルコが店を出ていくまで、エースはずっと可愛くて、
マルコは煙草を買った帰り道、今度は足を止めなかったけれど、ガラス越しに店内を覗くことはして、
家に帰りつく頃には一目惚れを自覚。
無自覚ながら食パンを一番少ない4枚切りにしたことに自嘲しながら、
4日後にはまた買いに行けるな、とか考えちゃうマルコもいいと思うの。
それから始まる朝食をちゃんと食べる日々。
エースの店のパンは幸いすごく美味しくて、たまに2切れいけちゃうんだけど、そしたら翌日は食べません。
4日に一度買いに来るんだとエースに刷り込む為に(うわぁ)
そうして、顔なじみになって、ちょっとした世間話なんかもするようになって、そろそろデートに誘おうかとマルコが考えていた頃、
刷り込み作戦が思いがけず功を奏しすぎて、マルコが訪れる筈の4日目の日、なのにバイトが休みになってしまったエースが、ちょっと挙動不審な感じに店の近くを私服でうろうろしてたらいい。
会いたかったと言えずに偶然を装おうとするけどおそろしく不自然だったらいい。
マルコは嬉しいでしょうなあ…。
楽しくデートして、なんやかんやで、もう思う存分、くんかくんか嗅ぎまくればいい。
「美味そうな匂いだ、毎朝でも食いてェよい」
とか
「おれァもうこの匂いに欲情しちまいそうだ、もう店に寄れねェな?どうしてくれんだい」
とか言わせたい。
あれ、なんかこのマルコ変態だ
[しずまる]
空腹の私がパン屋を発見。
「お、ちょっと食糧買ってくる!」
「いってらー」
私一人で離脱し
パン屋の自動ドアをくぐり
そして、1歩目でUターン。
「やすまる!」
「早ッ!」
「ちゃうねん!ぱ、パン屋ってよくない…?」
「よし私も行く」
そんな事が今月はじめにあったのに忘れてた…
マルコの家の近くに新しく出来たパン屋さん。
近所の煙草屋に行く時に通る道すがらにあったりとかで、なんとなく開店する前から存在は知ってて。
ああ、もう開いてるのか、思いながら前を通り過ぎようとして、
今何が焼きたてだとかいう看板出したりとか何かで、店の外に出てきたパン屋エースとすれ違います。
その瞬間ふわっと、バターと、焼き立てのパンの匂いがして。
それはエースが出た時に一度開いたドアから漂ったんだろうと思いながらも、エースから香ったように感じるマルコ。
思わず立ち止まった背中に、
「あ、よかったら寄って下さい、焼きたてです」
振り返ると、かけようとしてたボードをマルコの方に向けて笑ってて、
なぜか、さっきの匂いはやっぱりこの青年からだ、と確信して、それをもう一度確かめたいって気持ちに駆られます。
その事に自分で少し戸惑いながら、ああ、って応えて1歩引き返し、店の中に足を向けると、
「ありがとう」ってとても嬉しそうな声で言うエース。
入ってしまったものの、今腹が減っている訳でもないマルコ。
どうしたもんかと店内をただ見回していると、エースが中に戻ってきて、手ぶらのマルコに、どうぞってトングとトレーを渡そうとします。
それまで受け取ったらどうしようもなく間抜けな気がして、いい、と掌で示して。
それから咄嗟に、袋に詰められた食パンの塊を指すと、
ほんの少し首を傾げてたエースが、ああ、と漏らしながらにこりとします。
「朝食用ですか、何枚にします?」
何を聞かれているかは分かるものの、パン屋でパンなんて買わないから、そうかそんなやりとりが必要なのかとか、何枚というのが普通なのかとかが頭を巡って。
少し黙っていると、
「5枚とか6枚が多いですよ。でもうちのパンふわっふわなんで厚めでも美味しいと思います。おれは4枚が好きです」
とかへらっと笑って言われて
「…そうかい、なら4枚にしてくれよい」
って答えたらまた嬉しそうにするエース。
パンを切りにエースが裏に行った間マルコは、こんなにパンの匂いに包まれた店内じゃ、あいつの匂いが分からねェ、なんて心の中で舌打ち。
戻って来て、会計を終えてマルコが店を出ていくまで、エースはずっと可愛くて、
マルコは煙草を買った帰り道、今度は足を止めなかったけれど、ガラス越しに店内を覗くことはして、
家に帰りつく頃には一目惚れを自覚。
無自覚ながら食パンを一番少ない4枚切りにしたことに自嘲しながら、
4日後にはまた買いに行けるな、とか考えちゃうマルコもいいと思うの。
それから始まる朝食をちゃんと食べる日々。
エースの店のパンは幸いすごく美味しくて、たまに2切れいけちゃうんだけど、そしたら翌日は食べません。
4日に一度買いに来るんだとエースに刷り込む為に(うわぁ)
そうして、顔なじみになって、ちょっとした世間話なんかもするようになって、そろそろデートに誘おうかとマルコが考えていた頃、
刷り込み作戦が思いがけず功を奏しすぎて、マルコが訪れる筈の4日目の日、なのにバイトが休みになってしまったエースが、ちょっと挙動不審な感じに店の近くを私服でうろうろしてたらいい。
会いたかったと言えずに偶然を装おうとするけどおそろしく不自然だったらいい。
マルコは嬉しいでしょうなあ…。
楽しくデートして、なんやかんやで、もう思う存分、くんかくんか嗅ぎまくればいい。
「美味そうな匂いだ、毎朝でも食いてェよい」
とか
「おれァもうこの匂いに欲情しちまいそうだ、もう店に寄れねェな?どうしてくれんだい」
とか言わせたい。
あれ、なんかこのマルコ変態だ
[しずまる]
PR