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こんな事情と展開だったらいいのにと思う雰囲気の人を見た
2012.03.08 Thursday
真夜中。
遅くまで開いてる飯屋の暖簾を、困り果てた感じでくぐるエース。
遅くまで開いてる飯屋の暖簾を、困り果てた感じでくぐるエース。
辺りにはもう、他に灯りが無くて、
選んで来たっていうか、ここしか無かった、っていう感じ。
「朝まで開いてます?」
開いてますよ、と招かれて少しホッとして歩を進めます。
マルコを、店の人にするか客にするか迷うんですが……
選んで来たっていうか、ここしか無かった、っていう感じ。
「朝まで開いてます?」
開いてますよ、と招かれて少しホッとして歩を進めます。
マルコを、店の人にするか客にするか迷うんですが……
うーん………客で…!
エースは、カウンターに座ります。
マルコの、一つ空けて隣の席。
座ってからメニューを見始めて、
そしたらぐるぐるぐるーって凄い腹が鳴っちゃうんだけど、
恥ずかしそうに、そしてちょっと切なげに一番安いのを一つだけ頼んで。
「すみません、始発まで、居て良いですか」
どうぞ、眠ってはいただけませんけどね、と言われると、
「ああ、それは大丈夫、すげー寝て来たんで」
なんだかバツが悪そうに笑って答えます。
そのやり取りをぼんやり、あー終電無くしたのか。と思うマルコ。
エースの所に料理が届き、少し遅れて、マルコの所にも。
それでマルコが食べ始めると、一つ向こうの席から再び、
ぐるぐるぐるー。(腹の音)
軽く驚いて思わず見ちゃうと、エースの前の皿は既に空っぽになってて、もう一段階軽く驚いて。
エースは、しまったって顔でお腹を押さえています。なんだかちょっと可愛いと感じるマルコ。
量が足りてないのに、持ちあわせが無いんだろう事は明らかで、
「…食うか」
「えっ!い、いや、良い…です」
「ぶっ、はは」
反射的に、ぱっと希望を得た表情を向けてから、ハッとして遠慮する、
あまりに素直な顔に笑ってしまって、同時にまたも可愛い奴だと思いながらメニューを差し出して
「良いよい、何か頼め」
「でも」
「腹減ってんだろ?食いずらくて堪らねェよい」
タイミングよくまたしてもぐるぐるぐるー。
気まずくなりながら、おずおずとメニューを受け取るエース。
何でも良い、いくらでも。って付け加えられて、生唾ごっくん。
そうしたらもう、開き直ってとてもガッツリと奢って貰います。
マルコは、やがて届いた料理達を瞬く間に胃に収めていくエースの姿にまた驚かされて。
聞くと、エースの住まいは随分と遠く、ただし乗り継ぎなしに1本で来れる駅の傍。
数時間前に帰路につき、乗った電車で寝過ごすっていうかすっかりしっかり睡眠をとってしまって、
その線を何往復もした後、最終運行の終着駅である此処に放り出された、っていう事情でした。
呆れたり驚かされながら、エースにどんどん愛着が湧いちゃうマルコと、
餌付け効果であっと言う間に懐いちゃうエース。
暫く話してから、マルコが先に帰ろうと席を立つと、
ありがとう、って見送ったエースが例によってゴトンと突っ伏して寝ちゃって、お会計してたマルコと店員動揺。
店内での睡眠はご遠慮願いたい店員があわあわするけどどうしても起きないし、仕方なくマルコがお持ち帰り、っていう流れが良いと思うの。
ぐったりだらーんとした身体をおんぶして、
すげェ寝て来たんじゃなかったのか、と答えの返らない問いを呟いて。
軽くは無いから早く帰って降ろしたくもあるんだけど、
参ったな、って洩らしながらマルコは、少し遠回りの道を選びます。
少し自分を落ち着けないと、
このまま連れて帰ったら、なんか間違っちゃいそうな気がして。
間違いじゃない、やってしまえ。
[しずまる]
エースは、カウンターに座ります。
マルコの、一つ空けて隣の席。
座ってからメニューを見始めて、
そしたらぐるぐるぐるーって凄い腹が鳴っちゃうんだけど、
恥ずかしそうに、そしてちょっと切なげに一番安いのを一つだけ頼んで。
「すみません、始発まで、居て良いですか」
どうぞ、眠ってはいただけませんけどね、と言われると、
「ああ、それは大丈夫、すげー寝て来たんで」
なんだかバツが悪そうに笑って答えます。
そのやり取りをぼんやり、あー終電無くしたのか。と思うマルコ。
エースの所に料理が届き、少し遅れて、マルコの所にも。
それでマルコが食べ始めると、一つ向こうの席から再び、
ぐるぐるぐるー。(腹の音)
軽く驚いて思わず見ちゃうと、エースの前の皿は既に空っぽになってて、もう一段階軽く驚いて。
エースは、しまったって顔でお腹を押さえています。なんだかちょっと可愛いと感じるマルコ。
量が足りてないのに、持ちあわせが無いんだろう事は明らかで、
「…食うか」
「えっ!い、いや、良い…です」
「ぶっ、はは」
反射的に、ぱっと希望を得た表情を向けてから、ハッとして遠慮する、
あまりに素直な顔に笑ってしまって、同時にまたも可愛い奴だと思いながらメニューを差し出して
「良いよい、何か頼め」
「でも」
「腹減ってんだろ?食いずらくて堪らねェよい」
タイミングよくまたしてもぐるぐるぐるー。
気まずくなりながら、おずおずとメニューを受け取るエース。
何でも良い、いくらでも。って付け加えられて、生唾ごっくん。
そうしたらもう、開き直ってとてもガッツリと奢って貰います。
マルコは、やがて届いた料理達を瞬く間に胃に収めていくエースの姿にまた驚かされて。
聞くと、エースの住まいは随分と遠く、ただし乗り継ぎなしに1本で来れる駅の傍。
数時間前に帰路につき、乗った電車で寝過ごすっていうかすっかりしっかり睡眠をとってしまって、
その線を何往復もした後、最終運行の終着駅である此処に放り出された、っていう事情でした。
呆れたり驚かされながら、エースにどんどん愛着が湧いちゃうマルコと、
餌付け効果であっと言う間に懐いちゃうエース。
暫く話してから、マルコが先に帰ろうと席を立つと、
ありがとう、って見送ったエースが例によってゴトンと突っ伏して寝ちゃって、お会計してたマルコと店員動揺。
店内での睡眠はご遠慮願いたい店員があわあわするけどどうしても起きないし、仕方なくマルコがお持ち帰り、っていう流れが良いと思うの。
ぐったりだらーんとした身体をおんぶして、
すげェ寝て来たんじゃなかったのか、と答えの返らない問いを呟いて。
軽くは無いから早く帰って降ろしたくもあるんだけど、
参ったな、って洩らしながらマルコは、少し遠回りの道を選びます。
少し自分を落ち着けないと、
このまま連れて帰ったら、なんか間違っちゃいそうな気がして。
間違いじゃない、やってしまえ。
[しずまる]
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